ポスト2015って?

ポスト2015とは
ポイント
- 2000年9月の国連ミレニアム・サミットにおいて、途上国への開発援助に関する「ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)」が2015年を期限として設定された。
- 近年の開発をめぐる状況の複雑化(経済危機・自然災害および環境問題・伝染病など)に対処するため、将来の世代をも視野に入れた「持続可能な開発」の重要性への認識が高まっている。
- 2012年に開催された国連持続可能な開発会議(リオ+20)において、2015年以降(ポスト2015)の目標として、より普遍的な「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」を検討・実施するとの合意が成立。現在、国際的な議論が進行中。
2000年に採択された世界共通の開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)の達成期限である2015年以降(ポスト2015)に、どのような目標を掲げるかに関する議論が活発化しています。
現在、世界中でMDGsの達成に向けた取組が推進されている中で、人間社会を取り巻く様々な状況が変化してきています。例えば、経済危機、自然災害、パンデミック等による世界情勢の不安定化に加えて、気候変動や生物多様性の損失等の地球環境問題の悪化やいまだ深刻な貧困問題等により、持続可能な開発(将来の世代の欲求を充たしつつ、現代の世代の欲求も満足させるような開発:ブルントラント報告)に向けた諸問題の多様化、複雑化が指摘されています。
こうした現状を踏まえて、2012年6月に開催された国連持続可能な開発会議(リオ+20)では、今後目指すべき持続可能な開発に関して、経済・環境・社会の3つの側面でバランスのとれた社会の構築の重要性が確認されました。さらに、ポスト2015の国際開発目標として、これまでのMDGsの継続性を確保しながらも、新たな課題にも対応しうる統合的な「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」を検討、実施していくことが合意されました。途上国を主な対象としていたMDGsとは異なり、SDGsでは先進国・途上国の別なく、普遍的な目標を設定することが期待されています。
- ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)
- 極度の貧困と飢餓の撲滅
- 初等教育の完全普及の達成
- ジェンダー平等推進と女性の地位向上
- 乳幼児死亡率の削減
- 妊産婦の健康の改善
- HIV/エイズ、マラリア、その他の病気の蔓延の防止
- 環境の持続可能性確保
- 開発のためのグローバルなパートナーシップの推進
- 持続可能な開発
- ポスト2015年開発アジェンダ
- 持続可能な開発目標(SDGs)
2000年9月にニューヨークで開催された国連ミレニアム・サミットで採択された国連ミレニアム宣言を基にまとめられた、開発分野における国際社会共通の目標。極度の貧困と飢餓の撲滅など、2015年までに達成すべき8つの目標を掲げています。
1987年、環境と開発に関する世界委員会(WCED)が、通称ブルントラント報告と呼ばれる報告書「地球の未来を守るために」において、将来の世代の欲求を充たしつつ、現代の世代の欲求も満足させるような開発=持続可能な開発を中心概念とすると提示しました。
(これまでの持続可能な開発に関する動向)
1972年 | 国連人間環境会議(UNCHE)(ストックホルム) |
1987年 | 環境と開発に関する世界委員会(WCED) |
1992年 | 国年環境開発会議(UNCED)(地球サミット(ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ リオ+10) |
2002年 | 持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグ・サミット WSSD) |
2012年 | 国連持続可能な開発会議 リオ+20 |
ミレニアム開発目標(MDGs)の達成期限である2015年以降の、国際目標。2015年9月の国連総会で採択されることになっています。
2012年6月に開催された国連持続可能な開発会議(リオ+20)において、ミレニアム開発目標(MDGs)を補完するものとして設置が議論され、これまで30か国によるオープン・ワーキング・グループ(OWG)によって議論されてきた目標(17の目標と169のターゲット)。リオ+20では、SDGsはポスト2015年開発アジェンダに整合的なものとして統合されるべきことが決定されました。